ホテルのブライダル部門で働いていた頃、目を見張るようなファッションをしてくる参列者の方をたくさん見てきました。その中でも、忘れたくても忘れられない印象的なファッションを五つ、少し辛口にご紹介したいと思います。大切な方の一生に一度のおめでたい門出をきちんとお祝いするためにも、反面教師として参考にしてみてください。
狩猟民族ですか?毛皮集団!
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毛皮というのは殺生を連想させるのでおめでたい席ではタブーとされています。あたたかいので冬は重宝しますが、せめてコートまでにとどめておきたいところです。ところが、毛皮を集団で着てきた新婦友人のグループがいました。
その時は真冬のとても寒い日で、グループの中で「すごく寒いし、みんなで着れば怖くないから着ていこう!」と示し合わせたのでしょう。ものの見事に全員が毛皮のショールを羽織ってきました。本人たちは悪びれもなく堂々としていたのですが、その様子は完全に狩猟民族でした。
新婦ご両親のひきつった顔は今でも忘れられません。式場が屋外でない限り、外が寒いからと言ってコート以外で毛皮を身に着けることはやめましょう。
目的は男漁り。超ミニスカート女子!
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結婚式とは、親しい人の新たな門出を祝うと同時に、自分にとって新たな出会いを得る場と考えている方も多いでしょう。否定はしませんが、それを服装に反映させるのはやめましょう。
新郎友人にアピールするために、超ミニスカートで参列してきた新婦友人がいたのですが、式最中に問題が起きました。立っている時点で下着が見えるか見えないかの短さだったので、着席の時は当然裾が上がって丸見えになってしまいます。それを気にしてか、誓いの言葉の時も指輪交換の時も立ったり座ったりを繰り返すことになり、他の参列者の気に障る事態になってしまいました。
のちに担当のカメラマンに聞いた話ですが、「ここぞというときに画面の端で立ったり座ったりしていたから気になって仕方なかった」と言っていました。もちろん編集してその方が映らないようにしたらしいです。
結婚反対?セパレートワンピース
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この服装は本当によく見かけました。タブー視されているけど知らないのかな?と思ってしまうほど高頻度で見かけたのを覚えています。セパレートというのが別れを連想させるので、これもおめでたい席にはふさわしくないとされています。
といっても、アパレル店ではこういったセパレートのパーティー用ドレスが多く売られています。店員さんのアドバイスで「結婚式にも着ていけるらしいから」と考え買ってしまう方もいるようです。ですが、せめて色は選びましょう。
一番衝撃的だった方で、白と黒のモノトーンのセパレートワンピースを着てきた方がいました。セパレートなうえに、花嫁の色である白を着てしまい、座ると完全に真っ白な服を着ているようで、見ているこちらが恥ずかしかったです。
着物なら何でもいい!知ったかぶりマダム
結婚式では礼装の着物を身に着けるのがマナーです。新郎新婦との間柄や既婚か未婚かで着るものは変わるものの、パーティードレス同様普段着での参加はマナー違反とされています。ところがマナーを完全に無視した方がいました。
その方いわく、普段から着物を着ており親族の中では一番着物に詳しいと自負されていたのですが、その方の着ていた着物を見てびっくり。なんと普段着に位置づけされている小紋を着ていたのです。しかも帯は金糸も一切ないプリント柄のもので、「これが新しい着方なの」と揺れるピアスをしていました。
普段のおしゃれなら何も言いませんが、一生に一度の門出に親族にそんな恰好をされては新郎新婦がかわいそうです。何を着ればいいか迷ったときは、レンタルサービスを利用しましょう。
会場が違いますよ。葬式参列者
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待合室の扉を開けたら、そこは葬式会場でした。というポエムを即興で作ってしまうぐらい強烈な光景でした。参列者のほぼ全員が真っ黒の服装をしていたのです。確かに、新婦のカラードレスにかぶるわけにはいかないし、変に目立つのもよくないし、と、女性の服装選びは大変だと思います。
だからと言って、無難に黒にしてしまっては華やかな結婚式に似つかわしくありません。特に、ご両親はモーニングに黒留め、ご年配の女性も黒のロングドレスにグレーのコサージュ、男性は黒を含めたダーク系のスーツを着る方が多く、どうしても参列者が暗い色で統一されてしまう傾向にあります。
そこで唯一華やかにできる女性たちまで黒に統一してしまっては、華やかさは皆無に近くなり、心なしか雰囲気も暗くなります。せめて光沢のある服装にしたり、小物を明るい色にするなど、ただの黒一色にならないようにしましょう。私が実際にみた全身黒の方は、アクセサリーは冠婚葬祭用のパールのネックレスで、靴も黒のローヒールパンプスでした。
高いものでなくていいので、せめて小物類は“結婚式らしい”もの身に着けてあげてください。